1. PDCAとは?
Plan(計画):目標を定め、道筋を描く
Plan(計画)では、まず具体的な目標を設定します。「何を」「いつまでに」「どのように」行うのかを明確にすることが重要です。福祉現場における目標設定の例をいくつか挙げてみましょう。
記録業務の効率化: 「記録業務にかかる時間を20%削減する」
利用者満足度の向上: 「利用者アンケートで『満足』と回答する割合を10%向上させる」
職員の研修受講率向上: 「研修の年間平均受講時間を5時間にする」
インシデント発生件数の削減:「ヒヤリハット事例報告件数を前年比15%削減する」
目標が決まったら、それを達成するための具体的な計画を立てます。例えば、「記録業務の時間を20%削減する」という目標であれば、「新しい記録システムを導入し、3ヶ月かけて職員研修を行う」「記録項目の見直しを行い、重複をなくす」といった計画を立てます。この際、誰が、いつまでに、何をするのかを具体的に落とし込むことで、実行段階での混乱を防ぎます。
Do(実行):計画を実行に移す
Do(実行)では、Plan(計画)で立てた計画に基づいて、実際に業務を行います。計画通りに進んでいるか、問題点はないかを常に意識しながら進めることが大切です。上記の例であれば、新しい記録システムを導入し、計画に基づいて職員研修を実施します。研修後も、システムが正しく活用されているか、現場の意見を収集しながら進めていきます。
Check(評価):効果を測定し、課題を見つける
Check(評価)では、実行した結果を客観的に評価します。目標に対してどれくらい達成できたのか、計画通りに進まなかった点はどこかを分析します。データや客観的な指標を用いることが重要です。
記録業務の効率化の例: 実際に記録業務にかかった時間を測定し、20%削減できたかどうかを評価します。システム導入によって他に影響はなかったか(例えば、入力ミスが増えたなど)も確認します。
利用者満足度の向上例: アンケート結果を分析し、「満足」と回答した割合が10%向上したかどうかを評価します。自由記述欄の意見も参考に、具体的な改善点を探ります。
Action(改善):改善策を実行し、次につなげる
Action(改善)では、Check(評価)で得られた結果に基づいて、改善策を検討し、実行します。うまくいった点は維持し、うまくいかなかった点は原因を分析して改善策を立てます。
そして、改善策を反映した新しい計画を立て、再びDo(実行)に移ります。
例えば、記録業務の削減目標が20%に達していなかった場合、原因を分析します。
研修内容が不十分だった、システムの操作に慣れていない職員がいた、などが考えられます。
それらの原因に対して、「研修内容の見直し」「個別指導の実施」「システムのマニュアル作成」などの改善策を実行します。
そして、改善策を反映した新しい計画を立て、再びDo(実行)に移ります。